富士屋ホテル/アイリー

アイリーは明治 16 年宮ノ下大火後の最初の復興建築であり、客室としての現役を退いた今も、花御殿の裏手に保存されている。現在は社員寮として使用されている。

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日本を代表するクラシックホテル、富士屋ホテル。
明治中期の建物に現在でも宿泊できる宿はとても珍しい。
2020年完成したリニューアルを機に、徹底調査!

アイリーは明治 16 年宮ノ下大火後の最初の復興建築であり、客室としての現役を退いた今も、花御殿の裏手に保存されている。
現在は社員寮として使用されている。

アイリーの歴史


明治17年3月(1884) 着工(現在の本館の前方)
明治17年7月(1884) 木造平屋洋館新築、12部屋
明治24年(1891) 本館竣工後、現在の1,2号館部分へ移築
明治39年以前(-1906) 現在の花御殿部分へ移築?
大正 4年(1915) 内部大改装
大正12年(1923) 震災、被害は軽微か
この間 (1920s) 中廊下型に改造
昭和10年(1935) 花御殿裏手に移築、地下に「一階」増築、既存部は二階へ

アイリーの詳細


石造布基礎(後年RC基礎へ改造)
木造一階建、階下にRC部分増築

大火後最初の「本館」であり、1 号室が存在する。
両脇に八角形の突出部があり、中央が廊下とする間取りは、現在の本館と通じるものがある。
また中央入口上には唐破風が付けられ、これも本館と同じ意匠である。
収容力と威厳の不足のためか、築後 7 年で移築することになるというのは珍しい。
その後移築を繰り返し、昭和 10 年から昭和 60 年頃まで現在地で客室として使用されていた。
記録では明治 24 年下期と昭和 10 年の二度移築されたことになっているのだが、
本館竣工後明治 30 年ころの絵葉書では本館に比較的近い位置にあり、1,2 号館が間に入る余地はないように見える。
そもそも 15 年もあとの 1,2 号館(現在の西洋館)を見越すことは考え難く、隣の近い位置に移築したものと想像する。
また、その絵葉書は花御殿側から本館を見たものであるが、アイリーの手前側に整えられた空地があり、
1,2 号館の建設に当たって再度その空地に移築したのであろう。
その位置も花御殿が建つことになりさらに奥地に移された。基本的な形が変わっていないことが奇跡である。
大火後の応急的な部分もあったのか、本館、西洋館、花御殿に負けどんどんと降格していったことが移築歴から読み取れる。

部屋・間取り

1階
現役当時(1985)の間取り

昭和 10 年の移築時にアクセスの廊下と風呂、四客室、サービスカウンターを含む一階が造られた。
二階建てとは言うものの前半分側のみであり、RC の土台ともいえる状態である。
部屋番号は、昭和 10 年当時空き番であった 23 ~ 26 を使用している。
部屋からは独立した浴室を二つ備え、便所も二つあったようだ。

現在は本館一階から花御殿、フォレスト館へ別れて終わる廊下が、三ヶ所の階段とともにアイリーまで伸びていたようだ。

右傾斜部の中にアイリーへの階段がある花御殿からはわずかに白く見える
2階
竣工時(1884)の間取り(推定)

本館の竣工時と同じで、中央に廊下があり、前後に廊下を設けて 12 部屋へ通じる。 便所浴室がどうなっていたのかが不明であるが、おそらく外に厠を設けたのであろう。 大正 4 年に大きく改装したという記録があり、おそらくその時に中に廊下を移し、2 階が 10 部屋となった。部屋番号は、1 から 12 まで。今回の大改装で花御殿に作られた展示室には、1 号室のプレートが保存されている。 また、室内の写真が少なくとも 2 枚存在する。

現役当時(1985)の間取り

昭和 39 年当時の配置図には 1 ~ 12 とあり、二階 11 部屋に対して数が合わない。おそらく、大正の大改装時に空き番が発生したのであろう。 アイリーに関しては情報が少なく、調べるのは非常に手間をかけなければいけない。

なお、昭和 31 年頃の部屋一覧には 13,512,23~26 が記載されており、それぞれ 1100 円…7 号室 1300 円…2,6,8,12 号室 1400 円…3,5,9,10,23,24,25,26 号室 1600 円…1,11 号室 となっている。

旧番号旧分類旧バスタブ扉上窓新番号新分類建設年
11600 × 1884
21300 × 1884
31400 × 1884
4 × 1884
51400 × 1884
61300 × 1884
71100 × 1884
81300 × 1884
91400 × 1884
101400 × 1884
111600 × 1884
121300 × 1884
231400 × 1884
241400 × 1884
251400 × 1884
261400 × 1884
数字…値段(1956)

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